info@junglegenre.com

映画『グレイマン』感想 牛肉、豚肉、ラム肉、ソーセージ!

フリー芸人ジャングル系のサイトです

映画『グレイマン』感想 牛肉、豚肉、ラム肉、ソーセージ!

#ネタバレあり #普通 #87点ぐらい #アクション弱者

映画『グレイマン』の背景・ポイント

1.『キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー』『アベンジャーズ/エンドゲーム』などのルッソ兄弟が監督、『ラ・ラ・ランド』『ブレードランナー 2049』などのライアン・ゴズリング主演。

2.NetFlixが製作費に同社史上最大の2億ドル(本日2022年8月1日の円換算で265億円)をかけ、世界七カ国で撮影が行われた超大作スパイアクション。(『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が2億5,000万ドル)。すでに続編の製作も決定されている。

3.主人公、シックスはCIAと裏取引を交わし、政府の命によって暗殺を行う代わりに刑務所からの出所を許された‟グレイマン(正体不明の男)”。出所から18年後、暗殺対象となった男からICチップを受け取ったシックス。そこに記録されていたのは、CIA本部長カーマイケルの汚職・犯罪の記録であった。CIAからも追われる身となり、子どもと友人の命を人質に取られたシックスは、組織との戦いに身を投じることとなる。

【雑感】アクション映画にストーリーを求めるな?

フォーラム仙台で見た。
宇野惟正のMOVIEDRIVERを見て、そんなに面白いなら、といった。
確かに面白度は高かったが、俺は小難しい批評家側というか、結局映画をストーリーで見てしまっているので、その観点から見たら、まあ凡庸。

主人公シックスは凄腕の殺し屋だが、子どもには優しく無駄な殺しはしない。ひょうひょうとした性格でつかみどころはなく、感情を表に出さない。元軍人の父からスパルタ教育を受け、弟か自分のどちらかが殺されると感じ、殺害。やむを得ぬ罪で投獄された。

絶対にこの弟が2で敵になって出てくるやん。

アクションの歴史とか進化とか、その観点を体系化して押さえていないので評価の軸を持たないし、アクションのことも別に好きじゃない。

最初の花火のぶちあがる中での派手な戦闘が一番印象に残っている。

でも、一番金がかかってるのは中盤の電車の上での先頭だろう。

その前にはプラハの広場での多対一の手錠がつながれた状態での格闘もあったな。

さらにさかのぼると閉じ込められた地下牢からの地下水を利用した脱出も。

とにかくアクションの種類が多くてそれぞれに力が入っている。

牛肉、豚肉、ラム肉、ソーセージ!

ただ、肉肉尽くしの定食がいくらうまくても食える体力がないといううか、ちゃんと野菜とかデザートとか含めて評価したい、とアクションフリークでなく普通に映画を見る人は思うのではないかな。

そんなやつは見てもいいけど「評に価値はないよ」というのが宇野氏の考えなんだろうなあと思った。

体系的なアクションに対する積み上げがないと、アクション大作に対する『評』はできない。

まあ、他の映画に対してもそれはそうで、だからこのサイトで俺が書いているのはやっぱり「感想」なのだ。

でも、感想も評も1000年後には等しく古代人の遺失物としての価値しか持たないので、一応残しておきのが吉なのだ。

【タイトル】「グレイマン」というタイトルじゃなかったらもっともっと客も入るし話題になるんじゃないのかとは思った

とはいえ、原作が『グレイマン』なので、仕方がないのだが。

グレイマンとかジェミニマン(『ジェミニマン』はSFだけど、ニュアンス的にはわかるでしょう?)とか、海外の力を折れたアクション大作には「~マン」という邦題を付けるべきではないと思う。
どうしても日本では特撮とかマーベルヒーローみたいな超人的なSFファンタジー作品のイメージが浮かんでしまうし、それを期待して予告編を見たら「なんだ、生身の男のアクションか、ホークアイレベルの強さじゃん」とnot for me化してしまうからだ。
スパイトかアクションとかジョンウィックとかそういうワードに反応した客を呼び込まなければならないわけでそういう意味では『Mr.ノーバディ』とかよかったなと思う。
まあ、俺の感覚だし、日本の興行収入的にはウィル・スミス効果や劇場規模もあって当然『ジェミニマン』が『Mr.ノーバディ』の上だけど。
でも、やっぱり『グレイ・シックス』とかの方がかっこええやん。

【まとめ】野菜があった方がうまいのか、肉ばかりだからいいのか

ちょっと前の自分なら「話が凡庸!ダメ!」みたいなことを書いていたと思うけどさすがにそればっかりが価値ではないというか、映画を作る人の方が俺の上手というのは前提だとわかっているのだ。

ただ、「感想」として述べるにしてもやっぱりもうちょっとサラダ欲しかったのも正直なところ。

サイコ野郎みたいに言われていた今作の敵役ロイドだが、ペンチで痛めつけたり爪剥がしたりするだけで正直キャラ立ちは微妙だった。それすらもアクションでごまかしていた感じ。

公式予告より引用

2からは弟のドラマなど絡めてもう少し話を立ててくるのか、あるいはアクションイケイケガンガンを続けるのか、どちらになったとしてそれは功を奏するのかが気になる次第。