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濡れた手でテルミンを演奏するから

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濡れた手でテルミンを演奏するから

キュビスムを自らの観念的宗教にしているそこのキミ。ダリの髭の角度を分度器で計ろうとしたところで、もうダリは死んでしまっている。さらに分度器は経年劣化で縮んでしまい本来の大きさから変わってしまうという。そう「ダリの髭の角度」はもう超高等科学技術をもってしても、正確に測ることが出来ないのである。さらにもし測れたとて、「ダリの髭の角度」は湿度や音頭、体調などで日々変わっている。これは「中ノ森バンドの中ノ森文子のストラトキャスターの白さ」にも、同じように適応できることであり、「ダリの髭の角度」も「中ノ森文子のストラトの白さ」は科学のパラドックスとして、現在でも議論されているらしい。

さて表題にあるように濡れた手でも、テルミンは演奏できるという事実に僕は気づいてしまった。しかし手が乾いた状態の方がテルミン側にとって心地良いのだろう。もし僕がテルミンなら、絶対濡れた手で演奏してほしくない。ハッピーターンを食べ持って演奏されるのも心外であるし、よそ見をしながら演奏されるのも気持ちが良いものではない。やはり我々テルミンとしてはしっかり向き合ってほしいのである。グランドピアノやユーフォニウムはその大きさ故、片手間で演奏するということが難しい性質である。そして笛やギターも大体両手が塞がり、片手間では演奏できないものになっている。しかし我々テルミンは演奏者のやりたい放題なのである。手をかざされて、波状の音を発するだけなので、事実上食事をしながらテルミンが出来るのである。

この前はボルシチを食べながら演奏されたし、その前はシャンプーしながら演奏された。一番ひどかったのは、すれ違いざまにちゃちゃっと演奏されたのである。「わしゃ家電量販店で並び売りしとるオルガンか!」という声も波状の音波で轟いた。

テルミンの気持ちになりきってみたら、やはり手はしっかり洗ってよく水気を拭いてから演奏されたい。そしてかっちりしたスーツだとは言わないけど、1軍のシャツを着ていてほしい。もちろんスーツでも嬉しい。パリッとアイロンをかけたシャツだと余計に。これによって濡れた手でテルミンを演奏するのは、マナー違反ということが結論づいた。他の楽器と違って濡れた手で演奏ができるという話はよくわかるが、濡れた手で演奏できるからこそ手をしっかり拭いてくるのは本当の紳士ではないだろうか。そうなると演奏時は襟付きが好ましい。ハンカチも必ず持参をするようにしたい。この人と結婚するべきか迷っている女性のみなさん。彼にテルミンを渡してみると、本性がわかるかもしれません。

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