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映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』ネタバレ感想 面白いラブコメ、それ以上でも以下でもない

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映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』ネタバレ感想 面白いラブコメ、それ以上でも以下でもない

white house

78点

映画『ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋』のあらすじとポイント

1.国務長官のエリート女性シャーロット・フィールド(シャーリーズ・セロン)と、失業中のジャーナリスト男性フレッド・フラスキー(セス・ローゲン)。初の女性大統領就任を目指すシャーロットと、そのスピーチライターとして採用されたフラスキー(2人は過去にキスしている)の恋愛コメディ。

2.いわゆる男女「逆」格差ものとして、ジェーン・スー、高橋芳朗などが評価。映画批評サイトロッテントマトの批評家筋の評価も上々。

3.監督はイケメン純情ゾンビもの『ウォーム・ボディーズ』のジョナサン・レヴィン。『40歳の童貞男』『スーパーバッド』などコメディに定評のあるセス・ローゲンも製作に名を連ねる。

予告編

【不満】シャーロットのキャラについて

こういう系(ラブコメ)が好きなので面白いは面白かった。
ただシットコム感というか、「こんなわけあるかい」という展開が多いのでコントっぽくテーマや扱っている問題に対して深みや本気感は少ない。

それもこれも批評家筋の評価のせいだ。

だって、むしゃくしゃしたからって不慮の事態を想定せずにラリってるやつに核のボタンは任せらんないだろう。「アノ日に核のボタンを押さなきゃいいけどね」なんて無神経な司会者がお笑いにして「どうしようもないぜ」というシーンがあったけど、シャーロットは平常時でもまともな判断ができるか怪しい。だから護衛にもキスしてるとこ見られちゃうのだ。

前半は分刻みで忙しそうだったのに、ヤってからはMCU映画観たりいちゃついたりする時間めちゃくちゃ確保してるし。

大麻やケミカルドラッグに対するスタンスがいまだによくわかっていない。

こっそり「モーリー」をやることを日本に置き換えると、「道でタバコ吸う」とか「不法侵入する」くらいのイリーガルさなのだろうか。

クラブドラッグ過剰摂取による死亡が米国で増加 危険な「モーリー」

シャーロットがまじめな堅物なのか、そうでないのかがよくわからなかったんだよな。

モーリーでハイになった2人。スクショ元:https://youtu.be/0nFPF2d0aRY

もっと「「社民党」」みたいな顔した骨太な女性政治家じゃないとリアリティがないよ!

と思ってしまうのは差別的なのか?

本国で2019年5月3日公開の作品。3年たって、PCの基準と常識も変化している。

今なら、「美女と野獣」的な構図もいらない、普通の格差恋愛でええやんとなりそう。

【不満】「ロングショット」じゃない問題について

「ロングショット」は、見込みの薄い挑戦という意味らしいが、どちらか問えばシャーロットはずっと大統領選でリードしていて、そこで足元を崩されないかどうかがストーリーのハラハラになっていた。ミスマッチ感がある。
スピーチライターとしてのフレッドの能力もいかほど発揮されたのか。もっとサイドキックとしてのフレッドがシャーロットを押し上げて妨害工作もありつつもロングショットをかますという王道の話にしてよ。

というのも、対立候補の存在が全く描かれなかった。

シャーロットの敵は前半は環境協定に同意しない中国とインドであり、中盤以降は大統領とウェンブリー(既存メディアの権力者)だ。

「古くて頑迷な年寄りVSシャーロットとフレッドと仲間たち」という構造があまりにシンプルに敷かれ過ぎている。

オーストラリア首相は「すわ恋のライバルか」と思いきやミスリードする、という役割だけの人物だった。

【不満】フレッドの活躍がない件

フレッドの視野の狭さや身勝手さも気になっていたのだが、そこは後半ランスに指摘されたので意図したものだったとわかる。しかし、フレッドはいかにも反骨の記者といった思想なのに、登場した友達はVIPばかりで、トントン拍子で大統領のファーストミスターの座を手に入れてしまった。
それこそ、品行方正なシャーロットのピンチを、野良で人脈を培ったフレッドが救うみたいな展開もあればなあ。
フレッドが王子様みたいになってしまわないようにあえて活躍させていないということかもしれないが、活躍しようという意思くらいは見せてくれないとちょっと感情移入しにくい(前半はそれなりにあった)。

結局フレッドは人脈でうまいこと良い職にありつき、しまいには大統領夫人になりました。

シンデレラストーリーだ。

フレッドは、シンデレラボーイだ。

としか思えない。もっと言えば、そもそもシャーロットはフレッドのお隣さんでベビーシッターだったわけだから、かなりの高級住宅街で2人は暮らしていて、そもそもがアッパークラスの話なのではないか。

「プロムを2部制にする」という公約を掲げた対立候補に生徒会選挙で敗れたと話していたが、そういう選挙戦の盛り上がりも「米国のいいとこの学校」感。

【まとめ】普通におもろいラブコメ

散々不満を漏らしたが、おもしろかったのだ。

ただ、そんなに褒められるような作品か? と前評判を受けて疑問に思ってしまった。

タイトルはかなりハードルの低い作品のそれなのだから、妙にハードルを上げた俺が悪かった。

ボーイズⅡメンを聴いて落ち着こう。