『魔女見習いをさがして』感想──70点 話の軸……をさがして
おジャ魔女ドレミの20周年記念ファンムービー『魔女見習いをさがして』を見た。おジャ魔女どれみの20年後~みたいな話ではなく(それはラノベであるらしいが)、おジャ魔女ファンの27歳(社会人・職場で嫌われてプロジェクトから外された」)・22歳(大学4年生・流されるがまま教師を目指しているが教育実習で発達障害の子との接し方に悩む)・20歳(フリーター・幼いころに両親の離婚で父とはぐれる。現在はダメ彼氏と別れられない)の3人が聖地巡礼を通して現在抱いている悩みに向き合うという映画。
目次
全体的な評価
キャラクターはすごくよかった。話は良い良くない以前にあんまりストーリーがなかったけれど、ファンムービーとして色々制約があり、ターゲットがかつてのおジャ魔女視聴者であることを考えるとこれでいいような気がする。
でもおジャ魔女ファンの嫁はんは俺以上に批判的だった。
最初の5分はめちゃくちゃよかったがそこからは良い素材をふんだんに殺していたという評価らしい。
メインの3人。
真ん中のミレが27歳(社会人・職場で嫌われてプロジェクトから外された」)。
左のソラが22歳(大学4年生・流されるがまま教師を目指しているが教育実習で発達障害の子との接し方に悩む)
右のレイカが20歳(フリーター・幼いころに両親の離婚で父とはぐれる。現在はダメ彼氏と別れられない)
欠点1
それぞれの悩みが特に劇的な心境の変化とか対立とか成長とかなしに時間や環境が解決してくれるというのは現実あるあるで、リアルではあるんだけど劇映画的なカタルシスは全くない。
2回旅行に行ってそれぞれの暮らす環境も変わるのでストーリーは点在することになる。かといって大河ドラマでもないのでふと「あれ?今って何が軸になってるんだっけ?」と物語の進む方向を見失う時間がたびたびあった。
でもそれは、ファンムービーとしてしっかりと戦略を練った結果のようにも思われるのだ。
なんだこれ話がないじゃんと思った。
普通に話しづくりをするならこの伏線がここにつながって~という構造を考えざるを得ないと思うのだが、それがほとんどないのはやっぱり意図的なものとしか思えないのだ。
最近の映画はハリウッド的な脚本術からの脱却を狙う風潮があるような気がする、とう俺の色眼鏡もあるかもしれないけど。
まず、さまざまな聖地をめぐっておジャ魔女のかけらを集めるという要素が絶対だとすれば、セオリー通り一度の旅行で効率よくエピソードをちりばめることはできない。畢竟、後の旅行で突然大宮さんみたいな新キャラが出てきたりもする。
これはある。
しかし、2回の旅行それぞれにもうちょっとつながりを持たせられただろうと思う。
それは偶然にしても出来過ぎということだろうか?
しかしそういうことが起こるから面白いのがストーリーであってそれがない現実がつまらないからみんな映画を見に行くんじゃん!
と思ってるのはファンじゃないからなのかなあと思っていたが前述の通り嫁はんは俺以外に物語に否定的だった。
欠点2
正直当時熱心なファンではなかったので小ネタがまぶされていたのかどうかの判断ができない(嫁はんはそんなになかったといっていた)。
また、一本軸の通ったストーリーを進行させてしまうとそれはそれでそいつの人生の物語となってしまい、かつてのおジャ魔女視聴者たる少年少女が現在の自分を重ねにくくなってしまうような気もした。
家に帰ってから無印おジャ魔女の1話と3話(あいちゃん登場回)を見てみた。
子供向けにしても電気紙芝居感は否めず、アニメの技術もこの20年で飛躍的に進歩したんだな~と思った。
ただ、曲の良さは変わらない。この映画でも曲をうまく活用したオープニングは評判上々で俺も「人生を感じるなあ」とエモくなったものだが、もうちょっとこのBGMづかいを随所で見せられなかったものか。
良かったところ
キャラクターは社会人、フリーター、大学生と世代が分かれ、しっかり者風不器用、にぎやかし複雑家庭環境、真面目常識人とキャラも立っている。誰が埋もれるということもなく後半にはもう1クールのアニメ―シリーズ終盤のようななじみ感がある。この設定はさすがだと思う。
俺は無知によりわからなかったが嫁はんによるとそれぞれの設定におジャ魔女の各メインキャラの性格や家庭環境が反映され、ミックスされているらしい。また、百田夏菜子の演技はすごくうまかった。アニメに造詣のない俺でも声優みたいにうまいなと思った。
松井玲奈は序盤少し気になったがだんだん気にならなくなった。それよりもミレの職場のイヤな同僚(オフィスで陰口を聞かせてくる)の演技がへたくそだった。
厚切りジェイソンとKダブシャインの組み合わせはなんでやねんと思った。
まあ、実のところアニメの演技のそんな興味ないから俺が口出しすることではないと思う。
レイカの演技はドレミの演技と近いと嫁はんがコメント。
しかし、今見返すとアイちゃんはほとんどじゃりン子チエである。
男子がみんな好きだというおんぷちゃんのことはあんまり思い出せない。
見返さねば。
ジャングル系のパッションあふれるツッコミ。
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