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『マイリトルゴート』感想── ポピーザパフォーマー枠や!

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『マイリトルゴート』感想── ポピーザパフォーマー枠や!

PUIPUIモルカーで一躍注目を集めた見里朝希監督(28)の学生時代の出世作『マイリトルゴート』を見た。グロいぞーと聞いていたので「グロいのかなー」と思ってみたが、そんなグロくはなかった。でも、なんかでかいコンペに出す作品のテーマで「オオカミと七人の子ヤギの子ヤギが段階的に消化されていて、一人は完全に溶けてしまっていて、だから狂ったヤギのかあさんが人間の子どもを代わりに連れてくるんですよw」という作品は作らないし、そんな客商売に適していないやつは賞は取れないはず。なのに、クオリティでとってしまったのは恐ろしいなと思う。

アート界隈の懐は広いのか狭いのかあんまりよくわからない。

ジャングル系も初期の動画を一応出したことがあったなと思う。

しかし、ここまで権威ある賞だったとはね。

もうアンダー25で挑戦することはできない。アンダー25のチャンスをここに振ったというのはやっぱり恐ろしいな。と思うけど、東京藝術大学の卒業制作を兼ねてるならやっぱりあるか・・・。

け、美大に行くやつなんか実家がギャグAVのペニス並みに太いんだろ!

とやっかむ。。。

【Story】物語は、ヤギのお母さんがオオカミの腹を開いたところから始まる。オオカミは子ヤギを食べた順に消化し、7人の子ヤギは6人しか生き残っていなかった。長男のトルクはもう……。後日、母さんヤギは「トルク」を連れて帰ってくる。「兄さん」を取り囲む弟たち。しかし、その正体は、ヤギの毛皮を無理やり着せられた人間の男の子夏希だった。

受賞歴:
ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2019 オフィシャルコンペティション ジャパン部門優秀賞/東京都知事賞…

全体の感想

短いのでそりゃ面白いけど、単純な頭で考えたら単純なオオカミ撃退譚で拍子抜けした。一の裏切りはあったけど二の裏切りはなかった。でも、あのおかんも結局過保護な母の愛で閉じ込めているわけで、別に正義ではないよな……というのが含みということ?
もうちょっと羊と人間の間には分断があってほしいし、おとんが夏希をみつけるまでにもラグがあってほしいけど尺の問題でまあこんなもんか。
アニメーションは話以上に技術論が先に立つので口出ししにくい。

一の裏切り=夏希は虐待を実の親から受けていて、怖い感じだったヤギの兄弟が救ってくれる。

で、最終的にスタンガン持ちのヤギ母さんが救ってくれて、オオカミ=虐待おやじは腹に石を詰めて沈められる。ヘリコプターの音がバラララララ…(あー犯人捜してるんやなあ)でエンド。

結局怖いおやじから救われたもののいかれたヤギのかあさんに愛情の牢獄に閉じ込められるようになったやん、メリーバッドエンド。

とはいえるのだけど、そもそもヤギが人語を解したりスタンガンを使ったりするので世界自体がいかれているともいえる。

あんな不思議の国のアリス的不条理ファンタジー空間で何が起こっても別に正解はないといえばない。

そのあいまいさはフェルト人形で作ったストップモーションアプリにとって所与のものだし、映像的快楽に身をゆだねればいいやん、という話なんだけど。

なんか怖いとか虐待はひどいなとかそういう現実的な解釈を持ち込んでもばからしくなるのも事実である。

これはポピーザパフォーマーである

基本モルカーもそうだけど(特に六話『ゾンビとランチ』に顕著)、不条理ギャグ枠の作家なんだよなあ。

ポピーザパフォーマーとかあっち系のなんかきもいけど見ちゃうなあという作品に惹かれる人がたまに信じられない注目を集める。

不気味の谷的挙動と無機質なグロさが癖になるアニメ作品

ポピーの人もその後『がらくた通りのステイン』というかなり人口に膾炙するアニメを作ったわけで(ていうかこれもバンダイチャンネルなのか)何かしら同種の系譜で仕掛ける流れがあったに違いない。

がらくた通りで暮らすステインという男が拾ってきたものから始まる奇妙な物語。

ようよう考えたらめちゃめちゃプペルみたいなタイトルと原型みたいな世界観やな。西野やったな!!!!

不条理気持ち悪アニメで言うとNetflixなら『ラブ&デス+ロボット』とか?

こういう枠は数少ないが、ある。でも本当に数少ないし需要は細く長くしか続かないのでそこに身を投じる人は絶対狂気だ。

それが怖いよね。

ポピーザパフォーマーDVDvol.1。

 

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