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映画『アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ』感想 ニッキューナナに金熊賞を!

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映画『アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ』感想 ニッキューナナに金熊賞を!

a person holding yellow banana fruit

<名門学校の女性教師の夫とのセックス・テープがネット上に流出。その件についての釈明会見を行うという本筋を伴った政治風刺ブラックコメディ。監督はルーマニア出身で高い評価を得ているラドゥ・ジューデ。第71回ベルリン国際映画賞で金熊賞を受賞した。>

仙台チネ・ラヴィータ 1番館。昼間のスクリーンに駆け付けた観客は俺含め5名。

かなり太った男性とカップルと、おばあさんだった。

太った男性は2幕でグーと寝ていた。

俺もねむかったけど、我慢した。

公式スパムコメント削除せい(20220521 22:38のスクリーンショット)

はっきり言ってひどかった。

ただ、ルーマニアの政治風刺味がわかれば、かなり面白いのかもしれない。
しかし、自己検閲版のやり方「censorship = money」とか「人間の本質は卑猥である」というテーマからして、滑っている気がしてならない。
日本バージョンでやったとしても寒い政治風刺に感じる代物ではないだろうか。

Filmarksには、自己検閲されていない無修正版を観た人のコメントがあふれていて、そちらはどちらかと言えばアベレージが高いように見受けられる。

先日、映画『ドライブマイカー』の感想にて、俺は以下のように記述した。

こちらは他人同士といえども妙に接近する場面が多く、もちろんセックス場面もがその最たるものである。ふと思ったのが、俺ってホントに自然なセックスを見たことがないなということ。AVは言わずもがな、現実で映画のように斜めになってグイグイキスしたり、妙に背中をチュッチュしたりすることなんかそんなないだろと思うが、それも正しいかどうかはわからない。流出するハメ撮りビデオなんかも垣間見た感じでは全然リアルな感じがしないし、ただ、普通のセックスを撮っただけでそれは世界唯一の映像となるのではないか。
まあ、カメラの存在を意識した時点でそれは不可能な話だし、隠し撮りした時点で犯罪だし。

それでいうと、この映画ではリアルなセックスが捉えられていたのかもしれない。

とりあえずオーラルセックスとか、とても直視できないようなイチャイチャとか、汚い身体とかは移ってそうだ。

それをばっちり見てもらったうえで、「これを隠すのが果たして良識ですか??」と知的なスタンスから問いかけるというのなら、とりあえず意味はわかるし、ベルリンの審査員ならついつい票を投じてしまうかもしれない。

人間ある程度進歩的な考えを持つ途上でなんでチンコはTVで言っていいのに、万個はダメなんだ??と疑問を持つはずであり、そこに女性は貞淑であれという抑圧をみれば、ろくでなし子とかㇻランドサーやみたいに万個って言っていこうぜ!みたいなスタンスを持ったりするし、あるいはもうニッキューナナとか千鳥とかはまっすぐお笑いのスタイルでそこに踏み込みかけている。

うん。やっぱりこれを見ても、ニッキューナナの方がアンラッキーセックスよりもよっぽど面白くて進歩(チンポ)的だと思うぜ。性のタブー視というテーマに関しては。

3幕構成とその落ち

第一幕、セックステープ流出についての保護者への釈明会を控えた主人公が街を練り歩く場面では、時折不自然にカメラが余所見をし、そこにはスーパーマンのコスチュームを纏った男性や両手がガラモンみたいになってしまうダウンジャケットなどを見つけた女性などが時折移る。また、主人公に対するキャットコーリングとレジの順番待ちで言い争うような庶民のイライラが伝わる。

第二幕はジョーク集。時折面白い部分もあったのだけど、基本的には美術館でたまにある映像系のアート作品で、5分くらい見てみんなが立ち去るやつを40分近く見せられた印象だった。ブロンド女についてのジョークとかは映像が急に高解像度になるところも含めて引き付けられるものはあったが。
とにかく、ルーマニアでも男女差別が横行しており、政治と教会の結びつきで腐敗しており、人々もバカで、あると作者が思っていることがわかる。

第三幕で話はようやく、本題(セックステープに関する保護者会)へ。ここは、良くも悪くもない、普通だった。Twitterみたいに教師に対する幻想だとか、男女論だとか、保護者の無責任だとか、傲慢な新自由主義者だの、セクハラ親父だのが、「言葉」で応酬する。

そして、用意された3つの落ち。最後の落ちは予告で見せてしまっているし、全部ぶっ壊すにしては破壊が足りない。
学芸会レベルに見えた。

とはいえ、性の部分ではなく、政治の部分ではもっと評価に値する部分があるし、俺がそれを理解できるだけの知識がないのかなとも思う。

大阪大学を拠点とするメディア研究機関Global News View (GNV)の記事

ルーマニアでは、政治、軍事、医療、民間企業、非常に広い範囲で汚職が蔓延しており、外国人投資家に懸念をもたらしている。違法行為に対抗する立場にあるはずの警察や司法部を含む公職でも汚職が見られるため、事態は深刻だ。

上記GNVの記事より引用。

上記の通り、ルーマニアでは汚職が偉いことになってるっぽい。

また、正教会への信仰がぶ厚くて、おそらくものすごく性的にも保守的な価値観なんだろう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%AE%97%E6%95%99

そう考えると、確かに、ガチ保守キリスト教にリベラルとしてガチ反旗を翻す映画のスタンスにベルリンが一票投じるのは確かに流れとしてがっつり理解できるなあ~~。

つまり冒頭で俺がしたように「日本国内ならどうか?」と仮定することはあまりそぐわないということやね。

フロリダの「ゲイと言ってはいけない法」とか、向こうのガチ保守的な性規範がいまだに勢力を持っているお家事情。

とはいえ、日本から言えることは何もないし、not for meということになるのだろうか。

まとめ

自己検閲版でない。はっきりとペニスやプッシーがガメラに収められるバージョンなら多少印象が変わるのかもしれないが、破壊的なことをしようとして想定の範囲内に収まっているような印象を受けた。
でも、想定内であれは快適なことをしようとする人が減ってきている世の中だと思うので、少なくとも何かをやったことはえらいと思う。

俺がルーマニア人なら胸がすく思いがするのかも。

ただ、日本人なので正直きつかったっす。

公式サイトにproduction notesがあるのでご覧になってはいかがか。